緊急連絡

地域の茶の未来のために30年

長年、地域の茶の振興に尽力し、令和2年2月に育種功労賞を受賞した水野昭南さん。町役場に勤めていた27歳頃から「やぶきた」の育苗の仕事に関っていましたが、樹の寿命である40年後も茶園を守り、価格の低迷などの茶の将来を見据えて、40歳頃から新品種の開発を始めました。 水野さんは、味が濃く収量や耐寒性に強い品種を求めて、「さやまかおり」と「摩利支(まりし)」を交配し、3年間で6000本を育苗しました。それぞれの茶樹を育てて収穫した茶葉をそのまま食べたり、製造した茶を飲んで味を研究し、30年かけて理想の5品種を選定しました。現在までに「金谷ほまれ」や「金谷いぶき」など4品種を品種登録し、新たに「夢の光」の登録を申請しています。 茶だけにとどまらず、農産物の栽培もしています。ホワイトセロリを1年中収穫する方法やミカンの木にポンカンやバンペイユなどを接ぎ木し、1本の樹に4種類以上の実を成らせてみたりと熱心に研究しています。「自分で品種を作ることが楽しい」と笑顔で話す水野さん。今後は、茶品種の栽培普及に努めながら、栽培した農作物を「まんさいかん」や「KADODE OO IGAWA」へ出荷していきます。

島田市番生寺 水野昭南さん 広報誌 2021.6月号 掲載