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農業に一所懸命

焼津市石脇で農業を営み、「まんさいかん焼津」にハクサイやリーフレタス、サトイモなど年間を通じて10種類以上を出荷している松本章さん。長年、土木関係の会社に勤めていましたが、親の介護のため53歳で退職。自由の利く自営業に就こうと、趣味の釣りを兼ねて漁師になろうと考えたものの、親の代から管理する畑があったことから就農を決意。現在は野菜30アールとミカン10アール、梅10アールを1人で管理しています。 松本さんの座右の銘は「一所懸命」。一か所の領地を命がけで守り生活の頼りにする、という意味の「一所」にこだわり、「農業をやると決めたからには、一所懸命やり抜きたい」と農業に全力で取り組みます。作業効率を追求し、野菜は手間のかかりにくい作物を選んで作り、連作障害がでないよう常に10アールの畑を休ませながら輪作します。また、防除は作物ごとに農薬を使い分け、畑の雑草も残さないよう気を遣います。その真面目な姿勢から、近隣で使われなくなった畑の管理や竹の伐採など人から頼られることも多く、「まんさいかん焼津」からも安定出荷と品質に信頼が寄せられています。 毎日かかさずつけている日記には、日々の作業や気付いたことが記入してあり、翌年の栽培の参考にしています。就農して9年経つ今でも、うまくいかないこともあるそうです。農業の本を読んだり、近所の人に教えてもらうなど、試行錯誤しながら作業をしています。日本全国を忙しく飛び回っていた会社員時代とは違い、自分の漁船で趣味の釣りを楽しみながら、心のゆとりを持ちつつ、農業に励む松本さんです。

焼津市石脇下 松本章さん 広報誌 2019.11月号 掲載