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志太梨を作り続ける

品評会で上位入賞者を数多く輩出する焼津市上泉地区で梨を栽培する西尾敏弘 さん。35アールの園地には、約250本もの梨の木が植えてあり、7月から9月 にかけて5種類の梨を「まんさいかん」静浜、焼津、藤枝の3店舗に出荷しています。高校卒業後は建築関係の会社に勤めていましたが、若いうちに梨の栽培技術を覚えようと、44歳で梨農家の後継者として就農しました。 西尾さんの住む焼津市を始め、藤枝市、島田市で作られる梨は「志太梨」と呼ばれ人気があります。「まんさいかん」に食べごろの梨が常に並ぶようにと、8月のピーク時には奥さんと2人で朝と夕方の2回収穫します。暑さが苦手な西尾さんにはつらい季節ですが、自分の梨を選んで買ってくれるお客さんのためにも、自信を持っておいしいと思える梨を出荷しています。 西尾さんが一番気を使っている作業は「剪定」です。良い梨を作るために、「もったいない精神」は捨てて、枝や実を適切に切り落とします。枝の生長を予測した剪定や実が小さいうちに摘果することで、味と形の良い渾身の1玉を1本の枝に残します。そのこだわりが実を結び今年の「JA大井川志太梨品評会」では、みごと銀賞1席に輝きました。 子どもの頃から梨園に囲まれて育った西尾さんは、「『志太梨』を長く残していきたい」と話します。自分が70代になっても梨を作り続けられるように、効率的に動ける方法を日々模索しながら作業をしています。父から継いだ梨園を最良の状態で維持していくため、今日も梨園へ向かいます。

焼津市上泉 西尾敏弘さん 広報誌 2019.9月号 掲載