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夢をもって農業に取り組む

会社経営の経験をいかし、知恵とアイディアで困難を乗り越えてきた八木純一さん。「せとか」や「はれひめ」などの中晩柑を中心にさまざまな野菜を栽培し、ワラビは3月から4月上旬までの約1か月間「まんさいかん藤枝」に出荷します。 八木さんは、もともと両親を手伝う形でミカンや茶の栽培をしていましたが、父親を35歳の時に亡くしてから家のことを全て背負うことになりました。自動車の部品や精密機械の部品を検査する会社経営を経て、10年前に本格的に農業を始めました。 再び農業を志したきっかけは、東京のイタリアンレストランでブラッドオレンジのジュースを飲んだこと。1杯1000円という価格もさることながら、味にも衝撃を受け、「自分でもこれくらいおいしいブラッドオレンジを作ってみたい」と、業者から苗木を取り寄せ、栽培を始めました。始めてから10年ほど経ちますが、まだまだ納得のいくものにはなっていないそうです。八木さんには、ブラッドオレンジの本場イタリアのシチリア島へ行って本物に触れて勉強したいという夢があります。 「まんさいかん」に出荷する商品は、お客さんが納得して買ってもらえるようなものだけと決め、心を込めて栽培しています。会社経営時代に得た、「人と同じことをやっていてはだめだ」という気づきを農業にもいかし、「親が残してくれたせっかくの農地だから絶やすわけにはいかない」と今日も早朝から山に登ってワラビを収穫します。

藤枝市西方 八木純一さん 広報誌 2019.4月号 掲載