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生きてる限りは牛といっしょ

10月に行われた「第8回大井川農協肉用牛枝肉共励会」で、見事最優秀賞に輝いた中川英嗣さん。豊かな田園風景が広がる島田市尾川地区で11頭の牛を飼育しています。23歳で牛の飼育をはじめ、今年で53年目になり、動物好きの奥さんの幸恵さんと協力して牛を育ててきました。一番多い時には、100頭の牛と、ペットとしてヤギやチャボ、ポニーなども飼っていました。 英嗣さんは、毎日朝と夕、寝る前の3回牛の様子を確認することを欠かしません。少しでも鼻水が出ていたり調子の悪そうな牛がいると、すぐに獣医を頼み、治療してもらうなど初期対応に努めます。また、のびのびストレスなく過ごせるように、牛舎内の敷き料(おがくず)はこまめに取り換えます。副産物の牛糞を堆肥にして数か所で無人販売をしています。臭いも少なく売れ行きは好調だそうです。 中川さんの牛は、全て静岡県のオリジナルブランド牛「静岡そだち」です。「静岡そだち」は、黒毛和種の雌牛のみをオリジナル飼料と統一した飼養管理のもとで育て、(公社)日本食肉格付協会により、肉質等級3等級以上に格付けされたものの中から、さらに銘柄認定委員により認定された牛肉です。月齢7か月の時に約270㎏で仕入れ、約30か月で出荷を迎える頃には約750㎏にもなります。中川夫妻は「ペットとして飼っているわけではないから割り切っていて、出荷の時はそんなに辛くないよ。とにかく元気で見送ることができれば嬉しい」と手塩にかけて育てた牛を手放すときの思いを語ってくれました。 今年で夫婦生活55年を迎える二人は、「毎年、導入は今回の子牛で最後にする!と思っても、賞を頂いたりするとなんだかんだでまた子牛を仕入れてしまう。生きている限りは続けたい」と笑顔で話しました。

島田市尾川 中川英嗣さん・幸恵さん 広報誌 2018.12月号 掲載