緊急連絡

若手農業者を増やしたい

空気の澄んだ川根本町で茶の栽培に努める橋本立生さんは、公務員として農業に携わっていました。川根地域の農業後継者が少ないことや茶業が衰退していく様子を目の当たりにした時に、なんとかしたいと思ったのがきっかけで30歳で退職し、農業に専念しました。 幼い頃、祖父の育てる茶園を手伝ってきたものの、本格的に農業に打ち込むのは初めてだったため、新規就農者を技術と経済の両面から支援する「農業次世代人材投資事業」を活用しました。2年間の研修期間では、川根本町の茶農家や㈲川根香味園で茶栽培や荒茶製造の勉強を重ね、基礎知識を身につけてきました。研修を終えて2年が経った現在、3.2ヘクタールの茶園以外に30アールの畑で自然薯やキャベツ、ショウガなどの栽培も行っています。育てた野菜は「まんさいかん」に出荷し、消費者から「新鮮でおいしい」と好評です。 「仲間がいると技術も伸び、良い製品作りにもつながる」と話す橋本さん。JAの青壮年部員の会議にも積極的に参加し、茶生産者以外の生産者ともコミュニケーションを取ることで地域を越えた横のつながりを増やしてきました。 橋本さんは、若手農業者が少しでも増えるようにと稼げる農業を目指して奮闘しています。茶の休閑期に収獲できる作物を求め、今年からニンジンの試験栽培を始めました。1年を通して農業所得だけで生活できることを確立し、誰でも農業を始めることができるという農業の魅力を少しでも多くの若者に伝えられるよう、今日も真剣な眼差しで茶葉を見つめています。

川根本町東藤川 橋本立生さん 広報誌 2018.6月号 掲載