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消費者目線で栽培する

 鉄工業を営む傍ら、祖父の手伝いとして農業を始めた増田睦夫さん。今では、鉄工業を息子さんに任せ、農地を引き継いで専業農家をしています。「遊び8割本気2割でやっているよ」と話しつつも、水稲を主体に柿や香花などの栽培方法を本で勉強しながら、様々な農産物栽培にチャレンジしてきました。

 ダイコンの栽培を始めたのは、本格的に農業に従事した約10年前。消費者に長期間味わってもらおうと、秋冬季と春に収穫できるように4種類のダイコンを栽培しています。10月中旬からは、ダイコンの「エベレスト」を葉付きで出荷していて、品種を変えながら1月まで出荷が続きます。

 「消費者がどういう反応をするのか知りたい」と話す増田さん。自分の農産物の評価を知るため、出荷の際に店内の商品を確認したり、来店客の声を聞いたりしています。ダイコンは、肌がきれいで真っ直ぐに伸びたものが好まれます。種まきの前に畑の土を深くまで何度も耕すことで、やわらかい土を作り、ダイコンが真っ直ぐになりやすい環境を整えています。

 昨年は、虫にダイコンが食べられてしまったり、今年は、夏の暑さでブロッコリーやニンジンなどが不作になってしまったりと悔しい思いをしました。しかし増田さんは「次は何を作ろうか」と畑に毎日出向いて、草取りや水かけを続けています。「自分が手がけた農産物は収穫までしっかり面倒を見たい」と、今日も農作業に取り組みます。

焼津市本中根 増田睦夫さん 広報誌2023.11月号掲載