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父から受け継ぐ 栽培と人のつながり

 茶農家で生まれ育ち、県外での就職を経て14年前から農業に従事している松本佳克さん。父親と二人で農作業を分担して、茶の他に湯日地域の特産品である自然薯を栽培しています。

 父は、40年近くJAの自然薯研究会に所属してきました。5年前からは、佳克さんが栽培方法と共に人とのつながりも引き継いでいます。研究会では、父と同じ年代のメンバーから、長年の栽培経験と知識のアドバイスを受けたり、情報交換をしたりしています。農協祭や地域のイベントなどで自然薯を販売する機会もあり、「おいしい。今年もまた買いに来たよ」と心待ちにしてくれている消費者の声を聞くことが励みになっています。

 毎年同じように作業をしていても、気候により生育が異なります。「蓄積された情報だけでは対処できないこともある。環境の変化に対応した栽培をしなければいけない」と佳克さんは話します。松本家では、わらで直射日光を防いだり、保水力を高めたりしていますが、掘り起こすまで品質がわからない作物のため、天候を見ながらかん水するなどして収穫までの管理をしています。

 栽培技術では、まだまだ父の管理にはかなわないため、今はフォローをしてもらいながら、試行錯誤して生産しています。自分ひとりでも、管理が行き届くような栽培方法や省力化も視野に入れつつ、佳克さんなりに農業と向き合います。

 春に1本1本手作業で植え付けした自然薯は、約8カ月間土の中で育ってようやく収穫を迎え、1月頃まで販売します。

島田市湯日 松本 佳克 さん