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島田市大代でユーカリ、ミモザアカシアを栽培する成島克規さん。高校卒業後、自動車部品製造会社に就職しましたが、32歳で茶農家の実家に就農しました。当時(平成9年)は茶価も高値で取引きされ栽培面積も2.5㌶あり経営も順調でした。しかし、時代の流れと共に茶の消費減少、茶価の下落も厳しさを増してきました。そこで茶の補填作物として取り組んだものがユーカリでした。成長が早く、植え付けから半年で収穫できるユーカリのメリットを生かし栽培を始めました。その後は、茶業からユーカリ栽培に切り替え、現在に至ります。

10年前、成島さんに転機がやってきました。それは市場視察でのことでした。今までは1m程の切り枝を、段ボール箱で出荷していましたが、市場では半分以上切り捨てられていました。この不効率さを目の当たりにしたことが、出荷体制見直しのきっかけとなりました。見直し後の取り組みは、バケツによる出荷方式をユーカリに取り入れることでした。切り花輸送では既に導入されていたバケツ出荷のメリットをユーカリ出荷に生かすことで、切り枝のサイズがユーザーニーズに合わせられ出荷効率が格段に上がりました。鮮度が重要な切り枝出荷で、東京方面の市場へ出荷できるトラック輸送は当JAの立地条件に最適でした。「こうした取り組みも生産者だけでは成しえないことであり、市場関係者、JA職員のみなさんの協力があってのことだと感謝の気持ちで日々、仕事に取り組んでいます」と当時を振り返ってくれました。

今、ユーカリ市場はブライダルやリースなどのアレンジ、ドライフラワーなどで拡大しています。「今後は、産地としてのブランド化と市場ニーズ、生産体制のマッチングが重要であり生産者とJAがタイアップして有利な立地条件を生かし、高品質なユーカリをお客さんに提供していきたい」と成島さんは話してくれました。

島田市大代 成島克規さん 広報誌2024.7月号掲載