緊急連絡

後ろを向かず、 楽しくミカン作りを続けたい

藤枝市岡部町でミカンを栽培している仁科一孝さんは、高校卒業後、興津にある柑橘試験場での研修を経て、21歳で実家の農業を継ぎました。茶とミカンを栽培していましたが48歳で転機を迎えます。平成17年12月「まんさいかん藤枝」のオープンを機に茶栽培を辞めミカン一本に絞りました。出荷先を共販と「まんさいかん」に絞ることでミカンの品種も「青島」中心から20品種を栽培するようにしました。

仁科さんのこだわりは、1年間途切れなくミカンを出荷することです。お客さんにいつでもおいしいミカンを食べてもらいたいという気持ちから、いろいろな取り組みをしています。一つ目は「冷風貯蔵庫」です。ミカンを出荷するには貯蔵することが大事で、7~8℃の冷風を当てると品質を長く保ち貯蔵できるそうです。

二つ目は「海洋深層水」を薄めて散布することです。海水のミネラルを補給することでミカンの成長に良い効果を与えるそうです。

仁科さんは、「おいしいミカンを作るとお客さんも喜び自分も楽しくなる。年中まんさいかんにミカンを並べるということはお客さんの笑顔も見られるし、出荷仲間と会話していろいろ学べ、何よりも収入が毎月入ってくる」と笑顔で語ってくれました。また、仁科さんは本や日本農業新聞などで勉強も欠かしません。

28歳の時に読んだ新聞をヒントに無人販売を始めました。それは、北海道のジャガイモが豊作で山のように積み上げられたイモの前に缶を置きお金をいれてもらうという記事でした。今では、どこでも見かける無人販売ですが、この地域では1番に始めたそうです。常に新しい事に挑戦していく仁科さんは、「後ろを向かず、自分ができる限りミカン作りを楽しく続けたい」と力強く話しました。

藤枝市岡部町 仁科 一孝さん 広報誌2024.11月号掲載