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父の思いを胸に4代連続の大臣賞

川根本町の茶農家「相藤農園」の相藤直紀さんが、今年8月に開催された第79回全国茶品評会【普通煎茶4キロの部】で最高賞の農林水産大臣賞を受賞しました。

「嬉しい気持ちと同時に、大きな重圧を感じている」と語る直紀さん。曽祖父から4代連続の栄誉となります。

家業を継いでからは父とともに日々茶づくりに向き合ってきた直紀さんですが、「12年前に道しるべだった父が亡くなり、どう作ればいいのか分からなくなった」と当時を振り返ります。

その後しばらくは品評会に出品しても成績が振るわない時期が続きました。しかし、「やめる選択肢はなかった」と語ります。川根本町の茶を守りたいという使命感と、仲間やJA職員の支えがあったからこそ、諦めずに挑戦を続けてきました。

その結果、2018年のJA大井川の品評会で優等を受賞し、そこから全国の舞台で農林水産大臣賞を受賞するまでに至りました。

「ここまで来られたのは、支えてくれる人たちのおかげ」と語る声には、周囲への感謝がにじみます。

標高350メートルの高台に広がる茶園で、病害虫の有無や生育状況に気を配りながら日々畑を歩くのが日課です。

茶づくりは栽培、摘採、蒸し、揉みなど、それぞれの工程に技術が詰まっており、「何が良くて何が悪かったのかを突き詰めていくのが難しくもおもしろい」と語ります。

「挑戦し続けることで技術は高まる。もっと良い茶を作りたい」父から受け継いだ思いと共に、これからも茶づくりの道を歩み続けます。

川根本町 元藤川 相藤 直紀さん 広報誌2025.11月号掲載