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「やさシイタケ」を届けたい

藤枝市岡部町宮島で菌床シイタケの栽培をする前島静吉さんは、農家に生まれ高校卒業後、就農してから57年間農業を続けています。前島さんが45歳の頃、シイタケの栽培方法を原木栽培から菌床栽培に転換しました。菌床栽培とは、おが粉にフスマ※などの栄養分を混ぜて固めたものにシイタケ菌を植え付けたブロック状のものを培養ハウスで半年ほど寝かし、発生ハウスに移してシイタケが次々と生えてきたところを収穫する栽培方法です。

菌床シイタケは1年中いつでも収穫できる利点がありますが、原木シイタケに比べ、香りと味が淡泊だとも言われています。しかし、前島さんは、逆に淡泊なのは“優しい香りにマイルドな味”が長所と捉え「やさシイタケ」(優しい+シイタケ)作りにこだわります。さらに「お客さんがシイタケを必要な時に手に入れることができるようにしたい」との思いから、緻密な栽培計画を立て、夏場、冬場でハウス内の環境を整え「やさシイタケ」作りに専念しています。

農業の良いところは「丹精込めて育てたシイタケがお客さんに喜んでもらえた時がいちばん嬉しい」と笑みを浮かべます。大変だったことは「20数年前、海外からシイタケなどの野菜が大量に輸入され価格が暴落した時」と当時を振り返ります。

今後の目標については、「生椎茸部会の部会員は、県の品評会で常に上位入賞するほどレベルが高いので、それを維持しながら産地としてさらに盛り上げていきたい」と話します。

※小麦粉を精製する際にでる小麦の外皮を粉砕したもの

藤枝市岡部町宮島 前島 静吉さん 広報誌2025.12月号掲載