
JA大井川は2月14日、柑橘のドローンによる農薬散布作業の実用化にむけ、最新機種を用いた自動飛行散布を農家や関係者に公開しました。
2023年度から水稲でドローンによる防除事業を実施し、農業者の防除作業の負担軽減に取り組んできました。近年ドローン防除は登録農薬が増えてきています。機体やソフトウェアの性能も向上し、樹形や地形が複雑な柑橘栽培への実用化が期待されています。
当日は公開試験として藤枝市岡部町と同市光洋台、島田市神座の3か所それぞれの柑橘生産者のミカン園地でドローン防除の公開実証飛行を行いました。3か所で50人の柑橘生産者等が見学し、ドローン防除への期待の高さがうかがえます。農薬防除を想定し、10㌃あたり10㍑の液肥を使用しました。
実証飛行では事前にドローンを使用した空撮での圃場の3Dマップを作成し、ミカン樹木の上を通過するよう防除効率の良い最適な自動飛行ルートを設定します。自動飛行時は地上のRTK基地局から補正データを送信し、飛行誤差を数㌢単位に抑えられるといいます。
また、風の強さや薬剤によって粒子の大きさも変更が可能。感水紙による確認を行い樹木の入り込んでいる部分についても散布されていることが実証されました。
10㌃あたりを5分程度で散布でき作業軽減や省力化効果が期待できます。
試験に園地を提供した柑橘生産者の杉村金光さんは「夏場の忙しい時期にこそ、ドローンを活用したい。規模拡大も可能となるため、早く実用化して欲しい」と要望しました。
営農経済部農業経営支援課の森脇陽亮課長補佐は「ミカン園地はほとんどが急斜面での栽培のため重労働となっている。スマート農業に期待が集まっているなかで、早急に関係機関と連携し早期の実用化に向けて取り組んでいきたい」と話しました。